車が雪で立ち往生。恐怖の3時間

車が雪で立ち往生。恐怖の3時間 私の失敗

予兆

予兆

 住民票を取るために1時間のお休みをいただき、早めに退社しました。職場の天気は風は強かったですが、そこまでひどくはありません。まさかこの後、あんな恐怖を経験することになるとは思ってもいませんでした。

 帰り道の途中で風雪のため通行止めがあり、迂回しました。でも、迂回地点での天候はそこまでひどくありません。迂回した道も普通に運転できました。正直、天気をなめていました。

 役場に到着し、住民票と戸籍証明を取り、自宅に向かいました。風が強いという印象は強まりました。しかし、この時点でも、まだ楽観的でした。

1回目の立往生

1回目の立ち往生

 自宅に帰る道は一本道です。風雪で、ふきだまりができていました。車1台が通れる道幅しかありません。前から生涯学習バスがやってきました。すれ違うことは不可能です。運転手さんが私にジェスチャーでバックしてほしいと伝えてきました。運転が下手な私は、しぶしぶバックすることにしました。20m位バックし、近くの家の入る道があったのでそちらに側に入ろうと少し無理気味に車を寄せました。

 バスは無事、通り過ぎました。しかし、私が車を発進しようとすると、動きません。無理気味に寄せたせいで雪に乗っかってしまったようです。車に積んでいたスコップとヘルパーで脱出を試みました。風が強い中、寒さに耐えながら何度か試したのですが、無理でした。

 あきらめて、スマホで保険会社に電話し、レッカー車を手配しました。

 10分くらい待っていると、その家の方が出てきてくれました。優しそうな好青年でした。レッカーを頼んだことは伝えたのですが、この天気では来てくれるかわからないからと、車を引っ張って助け出してくれました。「早く(家を)出てきて助けてあげればよかった」と優しい言葉をかけてくれました。困っているときに優しくされると心にしみます。お礼を言って、「天候が回復したら挨拶に来ます」と伝えました。

 車に乗り込もうとすると、「この道をまっすぐ行くの? 大丈夫かな」と言われました。

 「大丈夫です」と車を発進させました。

2回目の立ち往生

2回目の立ち往生

 しかし、100mくらい進むと突風でホワイトアウト。視界ゼロです。徐行してはいたのですが、吹き溜まりに突っ込みました。ふたたび、動けなくなりました。外に出ようとしましたが、運転席側のドアが開きません。助手席側から出ましたが、吹雪がひどく、車の中にも雪がすぐに吹き込んできます。

 あきらめ、手配してたレッカー車からの連絡を待ちました。30分しても連絡がありません。

 後ろから車が来ました。車を降りた運転手さんが車をけん引するといってくれましたが、あまりの暴風のため断念しました。後ろの車も動けなくなりました。

 レッカー車の方から連絡がありました。通行止めに引っ掛かり、かなり遠回りして向かっているそうです。

おしっこ

おしっこ

 おしっこがしたくなりました。しかし、外に出る勇気がありません。コンビニコーヒーの紙コップがありました。しかし、あふれてしまうかもしれません。どうしようか迷いました。尿意は高まり、我慢できなくなりました。あと、尿を入れることができるものは一つしかありません。いつも持参している水筒です。迷っている暇はありません。水筒におしっこをしました。これで、ひとつの不安がなくなりました。

不安

不安

 レッカーの車が到着しました。

「とれも引っ張れる状況にないので、連絡を取って除雪してから助けるので、待っていてほしい」と言われました

 1時間くらい待ちました。あたりは真っ暗です。最初は、除雪している光を見ることができていました。しかし、途中から、除雪の光がなくなりました。不安に陥った私は、レッカー車の方に電話しました。

 「不安で電話しました。」

 レッカー車の方は「後ろの1台は、救出した。今、あなたの車を助けるために除雪している。まっててほしい」と電話口で答えました。

 また、1時間くらい待ちました。ただ、待つことしかできない不安と恐怖。助手席のガラスをノックする音が聞こえました。窓を開けました。

 「牽引フックはある?」とレッカーの方の声がしました。

 「わからないです」と答えました。私は、車には全く無知で人任せです。

 車の説明書を出して、フックのありかを探しました。フックのありかが見つかりました。しかし、付けられる場所が凍り付いています。

救出

救出

 レッカーの方が「引っ張るからバックに入れて」と声がかかりました。けん引ロープをかけることが出来たようです。

 「わかりました」

 バックにギアを入れて、アクセルを踏みました。強く踏んだつもりはありませんでしたが、思った以上に進んだようです。後から大きな声が聞こえます。

 「バックであんなに走ったら危ない。あと数十センチでぶつかるところだった」と怒られました。怒られたことに対する感情よりも、車が動いたことへの喜びが勝りました。

 その後、窓を半開きにして、レッカーの方の案内で、かなりの距離をバックで進みました。私は動転していたので、「右に切って」と言われているのに逆に切って、また怒られました。車が苦手な私は、とにかく一生懸命操作しました。

 結果、なんとか先ほどの家のあたりまで戻ってくることができました。最初にけん引された後ろの車もそこで待機していました。

 レッカーの方に救出のお礼を言い、今回の作業確認の書類にサインしました。

救出後

救出後

 レッカーの方が「この先は、除雪されているかどうかわからないから待ったほうがいい」と言いました。

 しばらく待つと、除雪していた車が戻ってきました。しかし、自宅の方へ進んでいいか判断できません。もう一度吹き溜まりに突っ込む可能性もあります。

 レッカーの方に再び電話しました。

 「除雪の車は戻ってきたのですが、進んでいいかわからないので電話しました。」

 「他にも待っていた車があるので、その車が行くようだったら大丈夫」との話。

 しばらくまつと、除雪した車を先頭に乗用車が2台通り過ぎました。これは通過できると思い、後に続きました。しかし、途中は吹雪です。視界が悪く前が見えません。ハザードを点灯して走りました。

 途中で除雪車が止まりました。あたりを除雪している様子です。よく目を凝らしてみると対向車がいるようです。すれ違うために除雪していました。

 何とかすれ違えるようになって、再び走り始めました。車が1台ギリギリ通れるくらいの道を進みます。途中、吹雪が増して、前が見えなくなったり、止まったりしました。

 前のハザードが見えなくなってたら、進めなくなるかもしれないと思い、しっかりついていきました。取り残される恐怖が消えません。

 どこまで進んだのか見当もつきませんでしたが、道が下りになったところで、もう少しで家だと気が付きました。

 家に着きました。生きて帰ってこれたことに感謝しました。

 「生きていれば、丸儲け」という言葉が心に浮かびました。

次の日と学び

次の日と学び

 次の日、車をけん引してくれた人のところにお礼の菓子をもって訪問しました。本人は、桃の節句のため不在でした。祖母らしい方にお菓子を渡し、優しい言葉が心にしみたことを伝えました。

 今回の学びは、人の優しさです。有難いという感謝の心を忘れずに生きたいと改めて感じました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました