全肯定するマネジメントは良いのか
・生涯雇用の時代は終わった。どうやったら、やりがいを持って働いてくれるのか
・「部下を徹底的に肯定しよう!」という考え方 ~ 賛否が分かれる
・全肯定の大枠の考え方には賛成
勇気を与えることができるから
・褒めればいいという一辺倒になるのは違う
肯定のメッセージを伝え続けることは現実的ではないから
私も全肯定のマネジメントには、半分賛成、半分反対です。
褒めることは、人のモチベーションをあげるのにとても有効です。褒めて、育てるのが基本だと思います。
しかし、褒めるだけでは、限界があります。
やはり、課題設定がポイントになります。優しすぎる課題は、飽きてきます。その人に合ったレベルの少しずつ難度が上がっていく課題が必要です。
現在、人間が課題設定をしていますが、個別に対応することは難しく、限界があります。AI時代になると個別最適化されるのでしょうか。
承認し続けるのが現実的ではない理由
・人は「飽きる」から
・褒め続けられると、何も感じなくなる
・人間の心は、常に平穏を保とうとする
・相手がなれないようにするには、毎回相手の期待を上回る褒め方をしないといけない
・毎回相手の期待を上回ることは現実的ではない。限度がある
人の心が常に平穏を保とうとすることを心理学では、「恒常性の法則(ホメオスタシス)」と言います。
良い面は、私たちの生活に安定をもたらしてくれることです。悪い面は、自分を変えたいとき、新しい挑戦をしたいとき、心理的ホメオスタシスが足かせとなってしまうこと。せっかく始めたランニングが三日坊主に終わってしまうのも、勉強する習慣がなかなか身につかないのも、ホメオスタシスが従来の習慣を維持しようとするのが原因です。
ホメオスタシスを解除する方法
①自分が理想とする人と付き合う
自分の目標となる人(ロールモデル)と積極的に付き合い、思考・行動をまねてみる
②「セルフトーク」をする
目標達成している自分を具体的にイメージする
達成イメージを言語化する
ぜひ試してみてください。
人を夢中にさせる方法は「○○」に学べ
・「ゲーム」に答えがある。人を夢中にさせる要素が詰まっている
・緊張と緩和のバランスが良いこと
・ヤーキーズ・ドットソンの法則
適切な緊張感は人のモチベーションに寄与する
・人のマネジメントに適用
緊張 ~ 相手に否定のメッセージを与えること
緩和 ~ 相手に肯定のメッセージを与えること
・ゲームに夢中な子供のように人を夢中にすることができる
私も、緊張と緩和のバランスを大切にするようにしています。
前述したように、褒めることを基本にしています。褒めるときは、人を褒めるのではなく、行動を褒めることにしています。「頭がいい」と人を褒めてしまうと、自分はできるのだと努力をしなくなります。それに対して、「10分もトレーニングを続けられて凄いね」と行動を褒めると、その行動をこれからも続けようと努力します。数値など、具体的に褒めるとより上を目指して頑張るようになります。
緊張の方は、譲らないポイントを決めることにしています。自分の課題と相手の課題を分離し、自分の課題のところに入ってきたら、きちんと拒絶します。人は、徐々に自分の行動できる範囲を広げていくものです。そして、ときに人の課題に踏み込むことがあります。自分で決めてはいけないことを決めようとするときがあります。そのときには、きちんと拒絶し、なぜなのかを説明します。相手が感情を害しても、相手の課題と割り切ることが大切です。
「否定」でやってはいけないこと
・肯定のメッセージは、言葉で伝えることばかりではない
・否定のメッセージでやってはいけないことは、「叱る」「放置する」
・「叱る」「放置する」は、著しく人間関係を壊してしまう
・一番モチベーションを下げる行為は「無関心」
・やってよい否定のメッセージは、「低い評価を伝える」「未熟さを伝える」「失敗させる」
・大原則として、常に肯定のメッセージが否定のメッセージを上回ること
・否定が多くなって、自己肯定感がなくなると無気力で思考停止した状態になる
・経験が多い人は否定のメッセージが多めでも大丈夫。経験の少ない人は肯定のメッセージを多くする
・自分の勉強や仕事にも当てはめることができる。緊張と緩和のバランスをチューニングしてみる
私は、「叱る」「放置する」をしてしまうことがあります。
感情的になって、叱ってしまったことが昨年もありました。すぐに自分の非を認めて謝りました。課題の分離をいくら心がけていても、なかなか人の心はままなりません。自分の体調が悪かったり、心に余裕がないと叱ってしまいます。まずは、よい体調と心の余裕を心がけます。
「放置する」も先日行いました。こちらは、計画的なものなので、自分の中では良かったと思っています。相手が、私の課題に踏み込み、自分の行動範囲、できることを増やそうと挑戦してきました。それに対して、拒否をしたところ、感情的になりました。距離を置いて放置しました。相手の気持ちが落ち着くためのクールダウンの時間を取ったのです。その後、きちんと説明しました。納得するかどうかは、相手の課題なのでよくわかりません。自分の課題である決定権を保持することはできました。
今日のアクションプラン
・緊張と緩和のバランスを意識してマネジメントを行う
今日のアクションチェック
緊張と緩和のバランスを意識してマネジメントを行うことができました。
今日も課題を分離し、相手の課題には干渉しないようにし、自分の課題に注力しました。
会議の中でも自分の部署に対してはきちんと意見を伝えることができました。管理職に対しても意見したので、緊張感を持つことができたいと思います。
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